引照機能とは? 印刷媒体聖書の中には「引照つき」というものがあります。新共同訳や口語訳ではこの機能のついた聖書がやや(けっこう)割高な値段で売られています。新改訳では標準装備されています。ドイツ聖書協会から出ているネストレ・アーラント(→ギリシア語聖書 )やBHS(→ヘブライ語聖書 )やヴルガタ(→ラテン語聖書 )にもついています。 引照機能とは、ある語句が聖書の他の部分からの引用であったり、逆に他の部分で引用されていたり、またある内容が聖書の他の部分と関連があるときに、その箇所を表示するというものです。
いざ、快適なバイブルサーフィンへ 引照機能を利用すれば、聖書を読んでいるときに、引用の箇所をいちいちコンコーダンスなどを用いて調べる必要がなくなるので、ぜひほしい機能です。 「そうかなぁ? 紙媒体の聖書ならそうかもしれないけど、コンピュータで聖書読んでるんだから、検索をすれば一発じゃん?」と思うかもしれません。たしかにカッコでくくられていかにも引用だよという書き方をしているならば、検索機能を使う気にもなりますが、引用の中にはそれと明示していなかったり、言葉を変えていたりというものもありますし、逆にここが別のところで引用されているという関係までは気づきにくいものです。まして語句の引用ではなく内容的関連ということになると、検索機能はお手上げです。 単なる語句検索ならば紙媒体でもコンコーダンスというものがあります。しかしそれだけでは満足できないからこそ引照機能が求められるのです。単なる語句検索ではなく内容をよく吟味して作られた引照は、聖書を読む際の大きな助けになります。 しかし、引照機能を頼りに紙媒体の聖書をくっていくのはとても面倒で、せっかく引照機能があるのについついおっくうになって利用しないでいる人が多いのではないでしょうか。 考えてみれば、引照とはインターネットでいうリンクにほかなりません。引照機能を使って聖書の他の箇所を参照するというのは、リンクをたどりながらいろいろなサイトを渡り歩いていくネットサーフィンにとても似ています。引照機能を利用してネットサーフィンならぬバイブルサーフィンをしてみませんか。
経を以て経を解く 中国には「経を以て経を解く」という言葉があるらしいです。古典の言葉を安易に註釈にたよるのでなくその古典そのものの言葉で読み解く、逆にいえば、古典の最良の解説書はその古典自身である、というわけです。これを聖書にあてはめれば、「聖書の最良の註釈は聖書自身」というわけです。この言葉、出典がどこなのかよくわかりませんが、「以经解经」だの「以經解經」だのでググるとなぜか中国の聖書関係サイトばっかりヒットします。今やこの言葉は中国人の聖書を読む姿勢になっているのでしょうか。たしかに聖書事典を調べるのもいいのですが、まずは聖書自身で調べてみるのが基本なのでしょう。そういうときにも引照機能は大活躍です。
引照機能のつかいかた 「章表示」「節表示」「検索」などのメニューにある「聖書:引照(日T) 口語(日R) 文語(日R) KJV(英) 」という聖書選択プルダウンメニューがありますね。このリストの一番上に「引照(日T)」というのがあるでしょう。これが引照データです。 この「引照(日T)」には聖書本文そのものは入っておらず、単に引照データが記されているだけです。ですからこの引照データを単独表示しても役に立ちません。章表示の聖書2や、節表示の聖書2以降、検索の同時表示聖書など、他の聖書データと併用する形で使用してください。 引照データは、各章の頭にその章の内容の概略が表示され、ついで各節ごとに関連する書:章:節が記されています。これをリンクすれば、その章にジャンプします。その時点での「聖書1」でサポートされていない書への引照は、リンクではなく普通の文字として表示します。 もとが章モード、節モード、検索モードのどれであっても、引照のリンクでジャンプすると章モードになります。つまり1節だけへのリンクであっても、必ず章全体が表示されてしまうということです(携帯の場合は10節ごとの単位になります)。これは「聖書は節ごとにぶつ切りして読んじゃダメ。文脈ってものがあるでしょ? 最低でも章全体を読んでね」という真理子のポリシーによります。 ただし章全体を表示しちゃうとどの節へのリンクだったかがわからなってしまいます。特に、章中の複数の節へのリンクというときには非常にわかりにくくなります。このため、リンクされている節の冒頭の を にしています(携帯では章の先頭に★を表示します)。なお、この (★印)は、引照データからリンクされてきた場合のみ表示されます。
引照データについて 欧米にはさまざまな注解書を元に膨大な引照データを集積した本があります。たとえばThe New Treasury of Scripture Knowledge(Thomas Nelson Publishers 1982)という本には1節ごとに10~20データ、計50万以上の引照データがあります。どんなものかはネットでも見られますのでご覧ください。Treasury of Scripture Knowledge on StyduLight.org 。 しかし、ここまで多くなると、たとえコンピュータを使ったとしても一箇所一箇所にあたる気がうせてしまいます。多ければいいというものではありません。やはり市販の引照つき聖書程度の量で十分だと思います。 市販の引照つき聖書のうち、旧約続編までサポートしたものは新共同訳しかありませんので、まずは新共同訳のデータを入力し、ついで新改訳、口語訳、文語訳など過去の日本語聖書の引照データを補っていくことにしています。 節全体でなく節の一部の語に関する引照は、その語を示しました。その場合の訳は、旧約・新約は口語訳、続編は聖公会訳を用い、他の訳(新共同訳など)が著しく違う場合は( )囲みにしました。実は引照情報ってけっこう訳に依存します。訳の違いによって異なる引照データをまとめてしまったものもあるなど、臨機応変に柔軟に(イイカゲンに)処理したところもあるので、この語自体を検索しても意味ありません。 なお、章冒頭の内容は真理子独自のものです。
印について 引照データばっかり入力するのは精神的にまいるので、入力しながら、真理子のお気楽批評をちりばめていくことにしました。それが 印で始まる文です。なお、内部的には、__face__(faceの前後に_を2字ずつつける)という文字列になっていて、これをこういう顔文字に変換するようにしていますんで、検索で聖書を「引照(日T)」とし、同時表示聖書を適当に選んでいただいて__face__を検索していただけると、私の感想を書いた部分がずらっと出てきます。
入力状況 現在のところこの引照データは試行中、入力途上です。通読表(「→カレンダー・通読表 」)にしたがって1年計画で全入力をめざす予定です。 なお、引照データは「真理子修道会(応接室)ページ 」にアップしてあります。自由にダウンロードしてお使いください。ただし随時更新しているのでこまめにダウンロードしなおしてください。