リファレンス文法・な

  1. なば
     ~ならば・としたら。完了の助動詞「ぬ」の未然形+仮定条件の「ば」ですが、この場合「ぬ」は完了ではなく強意の意味になります。ヨーロッパの言語の接続法や条件法の訳に使われることが多いです。
     もし悔い改めなばこれを許せ。(ルカ:17:3) もし悔い改めたとしたら彼を許しなさい。
     なお、「死なば」はただの「死ぬ」+「ば」です。


  2. なりけり/なりける/なりけれ
     ~たのだ。断定の助動詞「なり」の連体形+過去の助動詞「けり」なのですが、逆順に「たのだ」と訳すといいです。しかもこの場合「けり」は、何かにハッと気づいた気持ちを表すので、「~た」とは訳しますが、むしろ詠嘆です。
     (例)かかればこそわが言葉みだりなりけれ(ヨブ:6:3)だからこそ私の言葉がイイカゲンだったんだ。