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海老澤有道『日本の聖書』(文庫版p.341-342)によれば、博士平文&山本秀煌『聖書辞典』以前にもいろいろ聖書辞典の類が出ていたようです。そこにあげられた書のうち、国立国会図書館近代デジタルライブラリーに登録されていてネットで見られるものとしては、真鍋定造『聖書語類新約之部』(1889)竹内広業『聖書伊呂波手引』(1889)上田貞次郎編、辻密太郎補訂『旧新約両全書聖語類聚』(1889)田村直臣『対照聖書辞典』(1890)があります。しかし見てもらえばおわかりのように、1・3・4は聖書辞典ではなくコンコーダンスであり、2は用語集のレベルにとどまっています。そうするとやはり博士平文&山本秀煌『聖書辞典』こそが、日本で最初の聖書辞典と名乗る資格がありそうです。