- 当サイト・当教会のイスラム教・クルアーンへのスタンス
クルアーン(コーラン)とは、もちろんイスラム教の聖典です。聖書とはまるきり違う本ですから本来であればばべるばいぶるで扱うべき本ではありません。しかし、イスラム教はユダヤ教およびキリスト教の影響を非常に多く受けており、さながら「改良ユダヤ教」「改良キリスト教」といった面があります。そしてクルアーンには旧約聖書や新約の福音書のエピソードも多数引用されています。ですから聖書研究家としても無視できない本です。 聖書はユダヤ教、キリスト教だけのものではなく、他宗教にも継承されています。そのような他宗教での聖書継承の例としてクルアーンをとりあげます(「聖書継承」の意味についてはモルモン経参照)。 20世紀の歴史が資本主義対社会主義という対立軸で進行したとすれば、21世紀は今のところキリスト教対イスラム教という対立軸が鮮明になっています。同じアブラハムの宗教として、イスラム教を理解することが、クリスチャンにも重要になっています。
- クルアーンデータの取り扱いについて
クルアーンも聖書同様に、章-節というデータ構造になっており、全114章6236節あります。この章数は詩篇の150よりは少ないものの、分量的にはだいたいモーセ5書(計187章5853節)をあわせた程度の量に相当します。ちょっと多いですけど、がんばれば聖書の1書ぶんとして扱えば、「章-節」という聖書のデータ構造にそのまま載せることができます。そこでばべるばいぶるではクルアーン全体を、「クルアーン」という114章からなる一書として扱います。なお、書名の内部コードはqurです。 その一方で、クルアーンの各章は、聖書のように無味乾燥な章番号だけでなく、「開扉」「雌牛」……のようにタイトルがつけられている点が異なります。また、各章は必ず「慈悲深く慈愛あまねきアッラーの御名において」という讃辞で始まります。この讃辞に節番号を与えるかどうかは翻訳によって流儀が違いますが、現行の各国のムスリム協会などで採用している公的な翻訳では、第1章以外には節番号が与えられておりません。 ばべるばいぶるでは章タイトルと讃辞を第1節の最初に[ ]囲みで記しました。
- クルアーン(アラビア語T)
略称=Qr:(阿T)、略号=qar 作業状況=1 聖クルアーン日亜対訳からいただきました。
- クルアーン子音のみ版(アラビア語T)
略称=Qr:子音(阿T)、略号=qarc 作業状況=1 上記クルアーン(アラビア語T)から母音記号、スクーン(子音のみ記号)、単独出現以外のハムザ、上つきアリフ、タトウィール(語の長さ調整用に無意味に挿入されている横棒)を除去したものです。語句検索にはこちらを用いるほうが確実です。
- クルアーン(英語T)
略称=Qr:(英T)、略号=qeskr 作業状況=1 Online Quran Project(OQP)のEnglish:Shakirです。
- 大川訳古蘭(日本語T)
略称=Qr:大川(日T)、略号=okawa 作業状況=1 大川周明(おおかわ・しゅうめい。1886-1957)が1950年に翻訳した『古蘭』(岩崎書店)です。大川は『日本精神研究』『日本二千六百年史』などの著作で知られる右翼的思想家ですが、東大では印度哲学を専攻、インド独立運動を支援するなどアジア主義にも立ち、イスラム研究もしていました。戦前日本の軍国主義の政治理論を作ったとして東京裁判ではA級戦犯容疑で起訴されました。法廷で東条英機の頭をたたいたシーンは東京裁判のドキュメンタリーで今でもよく上映されるので有名でしょう。この他、法廷内の数々の奇行により精神異常と判断されて裁判から除外され、松沢病院に入院、ここでクルアーン全文を翻訳して出版したのが本書です。本文も解説も文語体なので原則として旧かな旧字ですが、一部新字が混じっているのが出版時期らしいところです。急いだ仕事のようで一部間違いもありますが(たとえば第2章冒頭のアリフ・ラーム・ミームをアリフ・ミーム・ラームとするなど)、朗誦に適した美しい文語体で訳しています。 著作権保護期間が終了しているため解説のみのページも含めて全ページをスキャンしてアップしました。一部テキスト化した部分がありますが、仮名遣いは旧かな遣いのまま、ただし「報ゐて」のような文法的誤りは「報いて」に訂正、字体はUnicodeに存在する範囲内で旧字体に統一しました。また神の呼称はアルラーハ(原文ではルとハを小さく書いていますがルもハも同じ大きさ)としました。
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