- アイヌ語聖書について
英国国教会(聖公会)の宣教師、ジョン・バチェラー(またはバチラー。John Batchelor。1854/3/20-1944/4/2)は、1877年から1941年まで北海道で宣教、医師・教育者としても活躍し、アイヌの父として慕われました。 アイヌ語にも造詣が深く、『蝦和英三対辞書(アイヌ・英・和辞典)』という辞典を作ったほか、1881-97年にかけて新約聖書、ヨナ書、詩篇を翻訳、またアイヌ語典礼書を作って出版しました。 しかしバチェラーは言語学にはまるきりの素人であり、ヨーロッパの言語とはかなり様相の違うアイヌ語を言語学的正確さをもって分析することはできませんでした。このためバチェラーのアイヌ語関係の仕事は、知里真志保をはじめとする後のアイヌ文化研究者たちから徹底的に批判されたり無視されました。それでもまだ辞典のほうは批判的に利用されることもありますが、聖書翻訳の業績は徹底的に無視されています(アイヌ語文献表や研究史などの場にも掲載されていないことも多い)アイヌの伝統的な口承文芸にしか興味を示さないアイヌ文化研究者にとっては、聖書などという毛唐の蛮書の翻訳なんて、バカバカしくて研究の対象とはならないのでしょう。 しかし、これだけまとまった分量の外国の古典がアイヌ語で表現されたことが、ほかにあったでしょうか。たしかにバチェラーはアイヌ語の文法をいろいろ誤解していましたが、彼の書いたアイヌ語は、翻訳ゆえの不自然さはあるものの、ネイティブのチェックも受けた正しいものです。 当ばべるばいぶるでは、埋もれつつあるバチェラーの偉大な業績であるアイヌ語聖書をしっかりとりあげ、研究していきたいと思います。
- T,Gについて
聖書名のあとにTまたはGとあるのは- T……テキスト
- G……画像
という意味です。 本来はすべてテキストでアップすべきところですが、個人の力ではテキスト化がままなりません。そこでまずは画像であげ、順次テキスト化したいと思います。序で作業を進めていきたいと思います。現在どういう状況にあるかをT、Gで表しているのです。 「ほとんど画像だが一部テキスト」という場合、作業順序がG→Tなので、すべてテキスト化できた時点でTと表示します。 なお、Gと表示された聖書は携帯では閲覧できません(選択メニューにも出てきません)。
- バチェラー訳(アイヌ語G)
略称=バチ(蝦G)、パラメータ=bat 作業状況=1 上に書いたようにバチェラーが翻訳した新約聖書、ヨナ書、詩篇です。将来的にはテキスト化したいですがさしあたり画像で公開します。新約聖書は日本聖書協会から復刻され、いま普通に入手できます。ヨナ書は日本聖書協会(聖書図書館)所蔵のもの、詩篇は北海道大学図書館所蔵のものをコピーしました。
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